儘ならぬ指先を 勝手気侭に切り裂いて 愛しかった秋風がニヤリホクソエミ 目玉を突き刺して引き返しては狙いを定め また視線を合わせ立つ君が溢れ出る赤が止まる事が無いといった腕も アスファルトでひしゃげたといった腕も 胃酸で焼け焦げているといった手…

不意に訪れる喧噪に呼吸器の機能を奪われたり そんな浮世など蹴散らしてしまえ もし良かったら、清掃はわたくしが遣りますよ等と 口を吐いてしまったりしないように 細心の注意を払う。 汚い手が余計に汚れて見える。 激しい雨に打たれても 流れ落ちてゆかな…

数え切れない群青が 腹を切り裂いて遠のいていく お前には合わぬ その 色彩 そう耳元で囁いて 流れ出る酸化した爪を 嘲笑い過ぎ去って 勘違い塗れ その 脳髄 あゝ、何とでも仰るが善い 見世物の真よ 唯 其れだけの 躰であること 狂気なるほど感じるのは我が…

命とは、もともと他者を食らうシステム。あなたの幸福と世界の幸福は両立しない。

此処ぞとばかりに吐く台詞というものは、何とも陳腐なものに終わる。 あらゆる物を詰め込んだと思った言葉は、 直、其処を転がる石ころとしてしか残らないときが多い。 自分の言葉が伝わらないというのは、真にもどかしいものだ。 裏腹、裏腹。 思惑とは違っ…

仕留め様と構えた325ほかして 弾装備もほかして 矛を己に向けたらば そうしたら 解放人間になれるかしら 密かに葬られた土中に 涙垂らすしか出来ない僕を 貴方は見逃したりしないでしょう 僕はまだ解放人間じゃないんだ。

全てが遅い そう云う事ならば 分かっている。 去れど現実 零れて逝ったあの重みが ただ ただ 一本の紐に 掛かって降ろす事が出来ない。 まだ唄は唄える 目玉を青くして 表情の無くなった君の向こう側の 青い空に向って 叫ぶ。

何事を思って姿を変えた。 何事を思って涙を抑えるか。 何事を思って素顔で構える。己の瞼を焼き切って全てを見る勇気を。 空々しい空に目玉を染める前に 限りない現実を。想像の庭にはナニモナイと云うのに。ナニヲマッテイルノ。鬱血して 膨れた舌の 君へ。