幾度となく額を打ちつけてすら
儘ならぬ指先を
勝手気侭に切り裂いて
愛しかった秋風がニヤリホクソエミ
目玉を突き刺して引き返しては狙いを定め
また視線を合わせ立つ
君が溢れ出る赤が止まる事が無いといった腕も
アスファルトでひしゃげたといった腕も
胃酸で焼け焦げているといった手も
錠剤に浸されたといった脳髄も
全ては真っ白で眩い光を見せるのです。
これぞ真のフラッシュバック現象
また響き出したこの手を如何に止めようか
波打つ胃壁と映らぬ視界
もう、いい
もう、いいのです
君がふらりと宙に揺れ
あの人の様に浮かばなければ
そう彫り込んで
お休みなさい。